2007年より気になった電気自動車関連のニュースを、コメントとともに書きとめています。

ドケケン」アンケート(2019/06/13)のコメントに「急速充電器での充電は一度に1〜2台、ガソリンスタンドなら少なくとも6台以上、しかも給油にかかる時間は短い。インフラ整備では充電器はガソリンスタンドの数十倍の開きが有ると言えるのではないか」という旨をいただきましたので、加筆しておきます。

普通充電器は滋賀県下に約270カ所(2019年3月現在)あり、たとえばイオン近江八幡では買物中に充電することができます。このような便利なところばかりにあるわけではありませんが、約120カ所の急速充電器と合わせると滋賀県下には、約390カ所の公開された充電器があります。

「公開された」充電器と書いたのは、公開されていない・誰もが自由に使うことができるわけではない充電器もあるからです。次世代自動車振興センターの都道府県別 補助金交付台数 (2009~2017年度)を見ると、滋賀県では電気自動車で約1400台分、充電もできるPHVで約1000台分、合わせて約2400台分に補助金が支払われたことになっています。

これらすべての車の所有者が、事業所や家庭などに1台につき1個ずつ普通充電器を付けているとは限りませんが、私の知る限り付けている人は多いですから、そのうち半分の車の持ち主が個別に普通充電器を付けていたとすると、県下には隠れた充電器が約1200カ所あることになります。先の数字と合わせると充電器は約1590カ所あることになります。

ここまでカウントするとなるとガソリンスタンドと比較するのには無理があるといわれるかもしれませんが、それはその通りで、個人の充電器約1200カ所といっても、他人の家の充電コンセントを勝手に使うわけにはいかないからです。

ただし、給油時間は短いですがスタンドでしかできないガソリン車と、帰宅後に充電ガンを差しておけば寝ている間に満充電になる電気自動車などとは比較する土俵が違うので、比べることは難しいということも言えるでしょう。

とはいえ、8年間の個人的な経験から言えることは、「充電器はガソリンスタンドの数十倍の開きが有る」という感覚はありません。生活環境・移動実態によって違いはあるでしょうが、普段の充電は自宅での普通充電で十分で、万が一の保険となる急速充電器は、この8年間であちこちに整備されてきたので、インフラとしては形になってきていると言えるのではないかと思います。
スクリーンショット 2019-06-12 20.41.30

トヨタ、EV本格参入で充電インフラ不足に? 東京電力が提案する電柱充電とは(2019.06.13)

2つのドケケン」に関するアンケート結果が出ていました。

一つは駐車場事業などを行う「パーク24」からで、もう一つは自動車の売買にまつわるサービスを展開する「モータ」(旧:オートックワン)からです。

6割がガソリン車以外の購入を検討した経験あり~電気自動車の購入、若者は航続距離より車種を重視~(2019/06/07)

大きくは以下の3点です。特に(1)は予想できることで、電気自動車への理解がまだまだ進んでいないことをあらわしています。
  1. 電気自動車1回充電あたりの航続距離を「知らない」が7割 
  2. 6割がガソリン車以外の購入を検討した経験あり 
  3. 電気自動車の購入、若者は航続距離より車種を重視
(2)のガソリン車以外で検討した1位は、42%の「ハイブリッド車」だそうです。こういう結果を見越して、トヨタの「電動車の普及のうち、かなりの部分はHVになりそうだ」という強気の発言が出てくるのでしょう。

ただし、実際に買わなかったとしてもガソリン車以外で検討した2位は、29%のドケケン」であり、クルマを持っていない人では、33%がドケケン」だというのですから、理解が進んでいないとしてもドケケン」にたいする興味関心は高いものがあり、(3)の1位にあるように「価格が手ごろになったら」いっきに売れ出す可能性は秘めているということです。

こうした市場動向もあり、先日のトヨタも「EVの普及」へ<2019 /06/09>と結び付くのでしょう。

(3)のどのようになったら電気自動車を購入するかの質問で2位になったのは、「EVステーションが増えたら」でした。 電気自動車はまだ早い!? 8割弱が“EVまだ買わない” 【みんなの声】(2019/06/08)にも「買わない理由」に「インフラが整っていない、整えられないから買えない」があります。

これは、心理学的には「カラーバス効果」と呼ばれるものに関係しているでしょう。「カラーバス効果」とは自分が意識していることは、自分のもとに情報として入ってくるという現象です。赤い色が好きだと赤い色に目が止まるという感覚です。逆に言うと、自分が意識していないことは、入ってこないということになります。

「充電器がない」という前に「EVsmart」や「GoGoEV」などの充電検索サイトで近所を調べてみると案外、多いことに気がつくはずです。「充電器」を気にしていないから「ない」ように思っているだけで、想像以上に実際にはあるのです。(都心など本当に「ない」ところ、少ないところもありますが)

以下の地図のように滋賀県内だけでも、琵琶湖を囲むように約120カ所(2019年3月現在)に急速充電器が設置されています。車の専門誌が「地方の様々な場所でもバッテリーのチャージが出来る環境」をというくらい、「知識」と「現実」には「差」があります。

ちなみに滋賀県下の給油所数は2017年度末で322カ所となっています。近くで最近閉まったところがあるので、 2019年にはもっと少なくなっているでしょう。
スクリーンショット 2019-06-12 20.41.30
また、電気自動車を購入する動機になるものは、「好きな車種があったら」や「格好いいデザイン・お手頃なEVが続々と発売されること」だそうです。

2020年頃には、各メーカーから次々と発売されそうですから、その頃がドケケンの普及」が進むタイミングになるのでしょうか。ただ、少なくともその1年を待つ間の時間は取り戻せないと思っているので、私は8年前から乗っています。

i-MiEV Mグレードが来た1<2011 /08/20>

EVの普及を目指して(2019/06/07)

トヨタは、6月7日に行われたメディア向け説明会の様子(動画)とプレゼンテーションの内容を掲載していました。ちなみにこの会を司会者は冒頭「電動車普及チャレンジ説明会」と言っていましたが、トヨタがこのWebに掲載しているタイトルは「EVの普及を目指して」ですし、副社長は最初の説明の中で「中心になるのは間違いなくEV」とか「EV普及に向けたチャレンジを説明したい」と述べていました。

これまで「電動車」とは、ハイブリッド車や燃料電池車などを中心に語られており、あくまでも付け足しの位置づけでEVも含めた「電動車」と強調していましたが、「電動化」の計画を5年前倒しし「中心になるのは間違いなくEV」とは大きな様変わりであり、いよいよトヨタも大きく「EVシフト」へ舵を切ったのだと説明を聞いて私は感じました。

後ほどの質疑の中でトヨタがEV重視へと変わったのではなく、あくまでも既存の計画の中にEVは含まれており、今回の発表があるとの発言は、残念ながら言い訳にしか聞こえませんでした。自分でつけたタイトルが「電動車の普及」ではなく「EVの普及」であり、「普及」とはEVを広く「一般的」な物にしていくということなのですから。
(このブログで2回続けてトヨタを取り上げること自体が「大きな様変わり」)
スクリーンショット 2019-06-09 7.50.03
(画像:2017年12月に発表された電動車普及のマイルストーン)

発表された「EVの普及」を念頭に置いたトヨタの取組は大きく以下の3点です。
  1. 超小型EV(軽自動車よりも小さいEV)を活用したビジネスモデルの構築を日本で
  2. 中国・米国・ヨーロッパとEV市場ができつつある所では様々なタイプのEVを開発
  3. 劣化しにくい電池の開発。世界の電池メーカーと協業

トヨタEVで使われた電池を他のEVに載せ換える組み替えや他の機器への再利用は、すでに日産などが取り組んでいるものと同じですから、後発企業として真新しいものはありませんでしたが、「充電サービスもEVに最適なものを」という言葉には期待が持てそうです。

今まで急速充電機能を持つプリウスPHVを販売しながら、全国のトヨタディーラーに急速充電器はほとんどありませんが、副社長の言葉通りだとすると、今後は「急速」な「普及」が見込めるかもしれません。

ただし、2020年に市販されるという2人乗りの超小型のEVは、1充電走行距離が100kmの近距離移動を想定したものだそうですから、そのような想定車に急速充電機能はいらないとなると、急速充電器の設置はさらに先延ばしされるかもしれません。インフラ整備コストは膨大なものになりますし、トヨタ車を扱う店は全国に約5,000店あるそうですから、そこすべてに設置するだけの急速充電器をすぐに準備はおろか製造することができないという面もあるでしょう。

逆に100kmの超小型EVであれば電池容量も少ないですから、急速充電器を使えば10kwhを15分くらいで充電することができ、超小型EVの使い勝手もあがります。また、ディーラーへの来店機会も増えることから商談にも結び付くかもしれません。そう考えて急速充電器を設置してくれるとうれしいのですが。

トヨタ 最初のEVはコンパクトから<2018 /06/09>

また、「EVに期待するお客様の様々な声」を元にまずは2020年に2人乗り超小型EVでスタートするそうですが、発表にあったように「お客様が必要とする商品を開発」となると、当初は4人乗りであったPHVがユーザーの要望で5人乗りとなったように、早期に4人乗りの軽EVへとシフトするかもしれません。

ほとんどの時間で2人までしか乗らないにもかかわらず、たまたま3人乗ることもあるとか、4人乗ることができると便利だとか、器の大きさにこだわる日本人の何と多いことか。

2人乗り超小型EVは、田舎でいうところの「軽トラ」の位置づけになるのかもしれません。グランドゴルフに集うお年寄りの車は、間違いなく「軽トラ」が多くを占めます。
スクリーンショット 2019-06-08 18.59.57
(2020年に市販予定の2人乗り超小型EV:トヨタのHPより引用)

ところで、私の知識では、2人乗りの超小型車両の規格はまだ策定されていないはずですが、トヨタが正式に2020年市販を公表したということは、その規格が内々に決まったということでしょうか。超小型車両は側面衝突など安全性に課題があると思っていましたが、まもなく示されるのかもしれません。

ヤマダ電機がEV販売を計画しているのも2020年までですから、タイで生産された日本発のFOMMが輸入される日も近いかもしれません。 

他にも気になったところは、電池の安定供給のために、パナソニックだけではなく中国CATLをはじめ、BYD、GSユアサ、東芝などとも協力業していくとした点です。 素人考えですが、電池の化学組成が同じでも電極などで電池の性能は微妙に異なり、その電池を安定的にマネジメントするシステム(BMS)はそれぞれ別に必要になるはずです。

また、東芝のリチウムイオン電池「SCiB」10.5kWhという同じ電池を積んでいるアイミーブMグレードとミニキャブミーブ・トラック(電トラ)でも、車の性能によりいわゆる電費(km/kWh)は違っていますし、受け入れる電気も100Vで900Wと860Wと微妙に違っています。

車種によって電池メーカーを使い分けるのかもしれませんが、電池の種類が増えれば増えるだけコストが増すでしょう。そうしたコストを負ってまでも増えるEVに備えるということなのでしょうし、将来的にEVが「普及」すると見越しているのかもしれません。

東芝のリチウムイオン電池「SCiB」が「劣化しにくい電池」であることは、このブログでも再三触れてきましたが、来年に市販される2人乗りの超小型EVが100km程度を想定しているのなら、最適な電池かもしれません。(希望的観測) 

トヨタとスバル、SUVモデルのEVを共同開発へ(2019/06/06)

トヨタとSUBARUは、中・大型乗用車向け電気自動車プラットフォームとCセグメントの電気自動車SUVモデルを共同開発すると伝えていました。他のメディアによると2020年代前半に、それぞれのブランドで売り出すそうです。

また、電気自動車の要の部品となる電池は、トヨタ、中国電池最大手と提携 電動化計画5年前倒し (2019/06/07)とあるように、中国の世界最大手の中国・寧徳時代新能源科技(CATL)と提携し、トヨタの「世界販売台数の半分を電動車にする目標時期を2025年と従来から5年ほど前倒し」するともありますから、6月5日に書いていた電気自動車の電費基準の中の「2030年」基準なんて、「厳しすぎる」どころか余裕を持って達成することができそうです。(販売数が伸びたらという前提で)

うがった見方ですが、経済産業省と国土交通省の新たな燃費規制の発表が3日でしたから、官僚の面目を守るために、発表後のプレスリリースになったのかもしれません。

どんな事情があるにしろ、電気自動車の選択肢が増えることはうれしいことです。

トヨタ、「5年早い」電動化に危機感 電池で全方位外交(2019/06/07)

車燃費、3割改善を義務 EV2~3割普及へ規制 (2019/06/03)

燃費規制に高いハードル、国内勢にEVシフト促す (2019/06/04)

遅ればせながら行政も重い腰を上げたようで、燃費規制の新基準を現行の2020年度に1リットルあたり20.3キロメートルから、2030年度に25.4キロメートルへと引き上げるようです。

この数字を達成するためには、各メーカーとも電気自動車やPHEVといった電動車の販売割合を増やすしか方法はないでしょう。

記事には、『松山泰浩省エネルギー・新エネルギー部長は「国際的にみても野心的な目標だが、環境対策をリードしていく上で重要だ」と述べた』とありますが、野心的でも何でもありません。以下のように各国・各都市では、2年も前からすでにそれぞれの目標を発表しています。
  • 台湾 EV全面移行を検討 30年にも、まずバイクから(2017/11/29)
  • 台湾 30年には公用車とバス(約1万台)の全面電動化(2017/12/21)
  • マレーシア 電気自動車の成長加速、30年までに本格導入(2017/08/16)
  • インド 2030年までに国内の自動車の30%をEVにすべき・・・より現実的な目標設定(2018/03/12)
  • ハワイ州 電気自動車導入、法制化へ=米政権のパリ協定離脱批判-ハワイ知事(2017/08/31)
  • パリ ディーゼルとガソリン車の乗り入れ禁止目指す 2030年までに(2017/10/16)
  • 東京 2030年までにCO2排出ゼロの新車販売を50%に...小池百合子知事がパリ市長と共同声明(2018/05/25)
  • アムステルダム ガソリン車、30年に全面禁止=市民の寿命「3カ月長く」(2019/05/04)
『メーカーから「厳しすぎる」との声も上がっていた』ともありますが、トヨタは2020年には中国で電気自動車を販売するとしていますし、ホンダは先日からヨーロッパで電気自動車の予約受付を開始しています。2030年にはマツダもスズキもこうしたいという電動車の構想を発表していますから、電気自動車など電動車のシェアを増やすという意味においては「厳しすぎる」とみじんも思っていないことでしょう。

「厳しすぎる」としたら、現在のような電気自動車の形では電池価格が重しとなって、今のような利益が上がらないという意味で「厳しすぎる」と言っているだけかもしれません。

いずれにせよメーカーは、ヨーロッパや中国のEVシフトへの対策をすでに進めているのですから、日本政府の発表は、「後れをとれないという危機感が強いため」などとのんきなことを言っている場合ではなく、すでに大きく周回後れになっているという認識を元に、充電環境などインフラのさらなる整備や充電器を維持するための法整備といった施策を整えて、電気自動車が普及できる環境をバックアップしていくことが重要ではないかと思います。(燃料電池車用の水素スタンドは二の次で)

電気自動車やPHVも燃費規制の対象に新たに加えることは良いとしても、気になったことは、『1回の充電で走行可能な距離が短い車種は「電費」が悪いとみなし、燃費の改善の計算で不利にする』という一文です。一充電走行距離は長いことに越したことはありませんが、普段の生活で使う分には長く走るために必要な大量の電池は必要としません。

6月5日も良い天気で、うちの1600Wの太陽光パネル・2000Wのインバーターで100V充電を行っていましたが、三菱製の100V10Aのケーブルでも実質は900Wぐらいしか入りませんから、電池容量10.5kWhしかないアイミーブMグレードでも、ほぼ電気を使い切った状態からは、日が出ている日中に満充電にできません。

グリッド(電力会社の送電網に繋がっている電力システム)で行うような200V充電をオフグリッド(繋がっていないシステム)で行おうとすると、4500Wほどの太陽光パネルと5000Wぐらいのインバーターが必要でハードルも高くなります。

季節・条件にもよりますが、アイミーブMグレードは満充電で100kmほどは十二分に走りますし、生活圏の内での移動に使う車として問題は何らありません。それでも最近の電池をたくさん積む電気自動車に比べたら、一充電走行距離は大きく見劣りしますし、先の論理で行くと「電費」が悪いと評価されてしまうでしょう。現実に購入時の国の補助金では、PHEVよりも額が少なく評価されています。

電気自動車を購入するときに越えなければならない壁の一つは、その価格の高さですから、単純に『1回の充電で走行可能な距離が短い車種は「電費」が悪いとみなし、燃費の改善の計算で不利にする』というようなことが行われれば、高性能で容量の多い高価な電池を載せなければならず、結果的に車両価格が下がらなくなるという負のスパイラルにおちいりかねません。

また、上に書いたように再生可能エネルギーである太陽光発電の、しかも手軽にできる100Vで充電しようとすれば、大きな電池であればあるほど、もてあましてしまいます。

軽の電気自動車であれば20kWhまでの電池で十分で、その分車両価格を安くする方向で補助金などの制度設計をした方が早く普及すると思います。200万円までで買うことができれば、2030年を待たずに爆発的に普及するのではと予想できます。

少なくとも車格に応じた『電費』基準があってしかるべきでしょう。ほとんど市街地を走る軽自動車と遠距離を移動することもある大型車とを同じ土俵で比較する必要はないのですから。
18
ミニキャブミーブ・トラックは、100V充電の場合、10Aのケーブルでは実質860Wほどでしか充電できません。それでも、停車中にこまめに充電ガンを差しておくだけで勝手に電気が蓄えられ、次ぎに移動に使うときには走行可能距離が増えているのですから、これほど便利なものはありません。

移動コストは「ゼロ」です。年金に限界があるといわれている中、こうした支出が「ゼロ」に近くなることはありがたいことですし、そうした実感を得たらもうガソリン車へは戻ることができません。

↑このページのトップヘ

обращайтесь profvest.com

best lunch coolers

best-products.reviews